尾張屋洋品店
(愛知県名古屋市中村区)
鵜飼 孝次 様
これからの10年、お店をどんなふうにしていきたいですか?
鵜飼 孝次 様
将来的に息子にバトンタッチはするんですけど、自分はこの仕事が好きなので、死ぬまでやれる仕事だと思っているんですけど。やめたらボケるしね(笑)。
鵜飼 孝次 様
そうそう。10年後となると、本当にイメージはつきにくいですけど、今65なので、75で元気であれば自分はこの仕事をやってるとは思うので。今この業界も結構カジュアル化してきているので、カジュアル化によって金額面でやっぱり下がったりするのもあるだろうし。自分の考え方としては、フォーマルな事は今でも成人式とか結婚式とかそういうのがなくなりはしないし、コロナが落ち着いて今はブライダル業界もグーッと上がってきてるんですけど、うちはそういうブライダルのタキシードだとか、ドレスも今は作ってはいるんですけど、そういう方向に力を入れてくのは考えています。ビジネススーツがやっぱりどうしても下がってきてるし、ビジネススーツもそれこそストレッチでウォッシャブルでという、それも安いやつ。
鵜飼 孝次 様
それこそ高級な生地店もウォッシャブルが出てきているし。それこそ特に夏は汗をかくので、イタリアのメーカーにそういうストレッチでウォッシャブルの高級生地というのがあれば、またそれはそれで需要もあるだろうし。だからそういう方向ですよね。自分としてはブライダルみたいなイベント的な装い。そういう方向性ですよね。
そこでカラー知識の展開も必要になってくるのではないでしょうか?
鵜飼 孝次 様
どうしても日本人はコーディネートが下手だし、無難な色しか着ない。ワードローブを開けるとモノトーンみたいな。でも、自分の場合はそういったカラーの資格を持ってやってるので、配色がやっぱり強みであり、それは息子にも引き継いでいるので、やっぱりうちで作って、うちでトータルでやったら『格好良いね』とみんなに褒められるとか『おしゃれだね』と言われるとか、それが一番の強みであり、売りなので。
その部分はずっと残っていくとは思うんですけどね。あとはインバウンド。そういう人たちが来る可能性もあるし、日本でスーツを作って、写真を撮って、そういうこともやるだろうし、そうすると納期を早めなきゃ(笑)。
鵜飼 孝次 様
でもヨーロッパのテーラーに行くと、何年かけて作ったの?みたいなところもあるし、それこそトランクショーに来て、採寸して、仮縫いしてできて、何年かけててるの?みたいなのもあるしね。
先の楽しみもあると思うので、これからが明るいとすごく感じます。
鵜飼 孝次 様
うちの店の100年の歴史を見ていると、時代の流れに逆らってはいけないなというのがすごくありましたね。それだけにこだわっていたらつぶれてたと思う。流れに沿ったことと、あとは自分の好きなことをやってきたこと(笑)。それは息子にも言っていることで、『好きなことをやれ』と言ってます。それで食べていければいい。好きなことやっても食べられないものもあるのでね。
洋服についてですけど、仕事以外のプライベートでは変えたりされてるんですか?
鵜飼 孝次 様
着る服はカジュアルなものになりますね。遊びに行ったりする時は本当に思いっきりカジュアルになっていくと思うんですけど、ここでお客さんになる人との出会いがあるかなという時はジャケットを着たり。その場所でTPOに合わせて、パーティーとか、そういう時は決めまくって、大体ああいうイベントでベストドレッサーとかやると大概お客様になってくれる人がいるんです。
鵜飼 孝次 様
4回ぐらいかな。そうすると僕の職業を知ってるメンバーは『それ反則です。一緒に戦わせたらそれ反則です』ってクレームがきて辞退したことがある。あるイベントでは、参加したメンバーが男性のベストドレッサー、女性のベストドレッサーというふうに決めて、それぞれ投票するんです。男性は男性でみんな後ろを向いて、女性がベストドレッサーだと思う人にシールを貼っていくんです。ほとんど俺にきて…ぶっちぎりで(笑)。
鵜飼 孝次 様
その中にも他のテーラーもいたし服屋もいるし、やっぱり女性がどんなのが好みかとか、こういう配色していったら受けるとか、そういう戦略を立てていくんです。
鵜飼 孝次 様
大体色でコーディネートしたスーツとかやっぱり難しいと思うんですよ、普通の素人では。自分はそういうのは全部分かってるので、全部それでコーディネートしていく。
鵜飼 孝次 様
黒のブラックスーツを着て、白のシャツ着て行ったって誰がベストドレッサーにするの?って。
鵜飼 孝次 様
それこそタキシード着たら普通じゃんとなる。白しか着ちゃ駄目みたいなホワイトパーティーというのがあって、それでも取りました。
鵜飼 孝次 様
ダブルの白ジャケットに白パンを履いて。ペイズリー模様になったダブルのジャケットで。
鵜飼 孝次 様
あとアクセサリーもちょっと女性ウケするようなアクセサリーを付けて、工夫してやっていたりして。神戸のホテル宿泊券をもらえた(笑)。嫁さんを連れていきました。
鵜飼 孝次 様
またそういうのもあるかもしれないですけど辞退します。
そこは辞退されるんですね。今度はアドバイザーみたいな感じで頼まれそうですよね。
鵜飼 孝次 様
カラー・ミー・ビューティフルというイメージコンサルタントの会社があるんですけど、それの理論に則ってやっているので、それを使えばなれるんじゃないですか。
見てる量が違うと思うので、私も今から勉強したら覚えられるものなんですか?
鵜飼 孝次 様
覚えられますよ。講談社から本も出てます。
鵜飼 孝次 様
これが一番新しいやつですけど。『カラー・ミー・ビューティフル』という佐藤 泰子さんの。こっちが僕の先生で、コンサルタントが全国にいるんですけど、私がトレーナーになってます。コンサルタントの養成講座の講師とか、息子も一緒に勉強させて今年取ったんですけどね。今、イエベ、ブルベとよく言うでしょう、流行ってるでしょう。あれはいい加減です。
そんな何万人といる人を分けられるのかなというのはありますね…。
鵜飼 孝次 様
四つのグループには分けられます。髪の毛と目と頬の色、一番ここの色がポイントですけど、これがブルベかイエベなんです。ブルベだったら、ブルベのカラーグループ。
今、いろんなところがやってるパーソナルカラーはその4種類に分けたり、その中間があったりとかするんですけど、中間をやったら絶対ベストドレッサーは取れないです。このカラーグループで徹底的にやらないと人は美しいと思えないし、さらにその人の体格と性格によってファッションタイプがあるんです。だからそのタイプが大体6タイプあるんです。女性は6タイプ、男性は5タイプある。そのファッションタイプによってスタイルは決まってきます。
鵜飼 孝次 様
勉強になりますよ。これが本当にうちの強みなので。うちも宣伝してないですけど、やはりホームページを見てきてくれたり、この間も成人式で4人来た子たちも紹介者の紹介者から来たみたい。『誰が紹介してくれたの?』と言ったら、名前を言ったんだけどうちで作った人ではなくて、作った人の友達だったりします。
今だったら自由度がかなり上がっているので、成人式でカラーを取り入れてますよね。
鵜飼 孝次 様
配色はやっぱり難しいし、日本人は下手だし、これを取り入れてやることによって、やっぱりその子が成人式だと光り輝いてんですよ。だから後輩が作りに来るとかね。
鵜飼 孝次 様
既成と比べたら高いというのもあるだろうし、時間がかかるのもある。それはネックといえばネックかもしれなんですけど、でも最近は成人式の子も結構前もって作りに来てくれる、お盆過ぎくらいに来てくれたり。今、成人式は年の初めなので、年内に納めておかないと怖いじゃないですか。そういうのも考えてやってるんです。そういう意味ではアイウタンテさんの色んなカラーの生地はすごくいいと思うんです。
ありがとうございます。プライベートで最近何か始めたこととかありますか?
鵜飼 孝次 様
ピアノとか。サックスは5年ぐらい前に始めて、最近はピアノです。
鵜飼 孝次 様
ピアノも半年以上になるかな。友達の奥さんに教えてもらってる。すぐ近くでやってたので、『習いたい』と言って
鵜飼 孝次 様
そう。マンツーマンで教えてくれる。ボケ防止。
鵜飼 孝次 様
サックスは肺を強くするため。
音をまず出すのが難しいと言いますよね。ピアノも習っていてすごいですね。
鵜飼 孝次 様
ピアノは弾けるようになるよ。楽しいですよ。
鵜飼 孝次 様
最初は本当に『ねこふんじゃった』ではないですけど、本当に簡単な曲から、もうすぐ正月なのでお正月の年の初めとか、クリスマスとか簡単なやつ。だから右手はメロディーで左手を伴奏してという、こっちもだんだん難しくなってきます。
最初は同じリズムでやるんですね。そのうちコンサートとかやり始めるんじゃないですか。スーツをビシッと決めて格好良さそうです。
鵜飼 孝次 様
そこまでいったらすごいよ。
鵜飼 孝次 様
今は『ゴッドファーザー 愛のテーマ』です。あれめちゃくちゃ難しいんです。
鵜飼 孝次 様
サックスはもう吹けるんですけど、ピアノを今チャレンジ中です。マスターするのに半年ぐらいかかるんじゃないかな。シャープとかフラットとか、そういうのも入ってくるけど、やり続けてればできます。
コツコツですね。ご自宅にピアノというかキーボードがあるんですか?
鵜飼 孝次 様
店にありますよ。でも本物が欲しいので、今は電子ピアノで練習してます。
大きいですからね。調律しなきゃいけないですし。でも目指してほしいです。それが弾けるようになったら買っていいよとなると思います。私も楽しみです。
最後に好きな座右の銘を聞かせていただけますか?
鵜飼 孝次 様
そこにあるのが『共存共栄』という。これは初代が…書いたのはうちの姉ですけど、初代が共存共栄を。元々うちは卸屋だったので、メーカーから仕入れて小売屋さんに売るという、その仕入れやっての商売。お客さんあっての商売というちょうど問屋業だったので、『共存共栄』という社是を作って、それは僕も好きな言葉だったので、今うちがやれるのもメーカーさんや仕入れ先があって、お客さんがいるというのが一緒だなと思って。共に栄えていきましょうという、それが好きな言葉です。あとは楽しく生きるというが。
さっきおっしゃってましたね、好きなことをやって楽しく生きる。
鵜飼 孝次 様
そう、人生楽しくというのが一番好きかな。だから仕事も楽しく、遊びも楽しくです。
ポジティブ精神ですね。落ち込むこととかあまりないですか?
鵜飼 孝次 様
ありますけど、立ち直るのは早いです。そういう時は3分で忘れたほうがいいです。だってそれは過去じゃない。未来に生きる人は過去を捨てるので。過去は直せない、けど未来は直せるじゃないですか。落ち込んでなんていられません。
その時間がもったいないですね。ラーメンができるまでに忘れたほうがいいということですね。
鵜飼 孝次 様
思考の切り替えだけだよ。そうではなかったら楽しくないじゃない。
30分悩んだら、30分を何かに使えますよね。それこそピアノのレッスンとか。
鵜飼 孝次 様
そうそう。自分の思考を切り替えるだけです。大阪で仕事してた時に電話ボックスに給料全部入ったやつを置いてきちゃって、免許証とかもいっぱい入ってたんですけど、出てこなくて。さて、どういう思考に変えたでしょう?
鵜飼 孝次 様
その人はお金がない人ですごく困ってたから助けた、寄付してあげた。だって金ある人だったら警察に持っていくじゃない。でも持って行ったということは本当に困ってる人でしょう。『いいことしたな』って。
すごくポジティブ。そういう転換して3分で切り替える。それは楽しくなりますね。ずっと引きずってしまう人だと、『あの時、気付けばよかったのに』みたいになりますよね。
鵜飼 孝次 様
『なんであそこで置いていったんだろう?』みたいにずっと思ってしまうでしょう。
実は新幹線に乗る前に大福を買ってたんですよ。それを今回の新幹線の中に置いてきちゃったんですよ。忘れてきたことを少し引きずってます。
鵜飼 孝次 様
変えればいいです。『あれ食べたら太ってたし~』みたいな。
ラッキーと思ったほうが良いですね。今すごくポジティブに変わりました。ありがとうございました。